移転祝いで喜ばれる贈り物の選び方・贈るときのマナー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

取引先など親交のある企業のオフィスや店舗が移転するときは、移転祝いの品物を贈ります。しかし、せっかくの御祝いの気持ちを込めて贈っても、相手に喜んでもらえなければ意味がありません。そうなってしまわないために、移転祝いで喜ばれる人気の贈り物や、贈る際のマナーについて紹介します。

移転祝いの贈り方

移転祝いを贈る前に、贈ってはいけない場合があることと、贈るタイミングについて知ることが大切です。

移転祝いを贈ってはいけない場合

移転した場合でも、移転祝いを贈ってはいけない場合もあります。事業縮小や火事など、やむを得ない事情があって移転する場合は、祝い事ではないため移転祝いは贈ってはいけません。また、企業の方針として、贈り物の受け取りを辞退している場合もあります。これらの例で無理に贈り物を届けると、マナー違反になってしまうため、問題がないことを確認してから贈り物を用意するようにしましょう。

移転祝いを贈るタイミング

移転祝いを贈るときは、届くタイミングにも気を使いましょう。あまりに早く届きすぎてしまうと、移転の際に負担が増えてしまいます。そのため移転の当日か、その前日に到着するのが最適です。移転のセレモニーがある場合は、当日に持参するのもおすすめです。贈り物が届くのが遅くなる場合は、御祝いのメッセージを先に贈ると良いでしょう。贈られた相手も、お祝い返しの準備をする時間が必要なため、できれば2週間以内、遅い場合でも移転から1ヵ月以内に届くように贈ります。しかし、移転することを知るのが遅れてしまったなどの事情があり、1ヵ月以内に届けるのが難しい場合もあるかもしれません。そうした場合では移転祝いは贈らずに、お返しの必要がない菓子折りを持参して、直接挨拶に伺いましょう。

移転祝いの贈り物選び

移転祝いでは、相手のオフィス・店舗で使いやすいものを選んで贈ることが大切です。金額の相場と、人気の贈り物を紹介します。

移転祝いの相場

移転祝いの贈り物には、ある程度の相場があります。日頃から取引がある親しい相手なら3~5万円が相場です。そうではない相手に贈る場合は、1~2万円ほどが相場とされています。相場以上の金額のものを贈ると、相手を困らせてしまうこともあるため、相場通りの物を選びましょう。

1.花や観葉植物

祝い事の定番といえば、やはり花です。特に開店祝いや移転祝いなどのお祝い事では、胡蝶蘭を贈ることが定番となっています。「蝶のように幸せが飛んでくる」という意味が込められた縁起物で、見た目も美しく咲いている期間も長いことが、人気の理由です。花の他には、枯れにくく手入れがしやすい観葉植物も定番となっています。人気があるのは、発財樹=お金をもたらす木と呼ばれ、室内でも育てやすいパキラです。

2.現金や商品券

移転直後は何かと物入りになるため、現金や商品券も喜ばれる贈り物です。現金を贈ることには、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。ですが、移転祝いの場合は、目上の相手であっても失礼にはあたらないとされています。現金や商品券を贈るときは、お札・券の上側を左向きにして、熨斗(のし)に入れて贈るのがマナーです。

3.カタログギフト

移転祝いの贈り物では、受け取った相手が好きな物を選べるカタログギフトも人気です。相手に失礼がなく役立つ物を贈りたいけれども、何が喜ばれるか分からない場合に適しています。また現金や商品券などは、贈ると相手に金額が分かるので避けたいという場合にもおすすめです。

熨斗(のし)の付け方

お祝い事の贈り物には、熨斗を付けて贈ることがマナーです。移転祝いを贈るときの正しい熨斗の付け方を身に付けましょう。

熨斗が必要な場合と不要な場合

移転祝いを贈るときは、基本的に熨斗が必要ですが、一部の贈り物では不要とされています。その贈り物とは、花や観葉植物などの立札を付ける贈り物です。立札を付ける場合は、立札自体が熨斗の代わりになるので熨斗を付ける必要はありません。

水引(みずひき)の選び方

水引とは、熨斗を結んでいる細いひものことです。水引には種類があり、色と結び方で意味が違うため、気をつけておきましょう。お祝い事では、めでたい「赤白」の水引を贈ります。ちなみに赤白の水引は、「紅白の水引」と呼ばれていますが、本来の紅白の水引は皇室のお祝い事に使う珍しいものです。一般的には、ほとんど意識することはありませんが、念のために覚えておきましょう。次に、水引の結び方は「蝶結び」を使います。蝶結びは何度でも結びなおしやすいことから、何度も祝いたい事柄に使用する結び方です。一方、「結び切り」という結び方は結婚式や快気祝いなど、一回限りであってほしい祝い事で使います。

熨斗の書き方

熨斗の表書きは、「御祝」、もしくは「御転移御祝」と書きましょう。できれば毛筆を使うことが一番ですが、筆ペンなどを使用しても問題ありません。贈り主の名前は水引の下に書きます。個人で贈る場合は氏名を書き、企業から贈る場合は社名のみか、社名と社長名を書きましょう。また注意点として、移転御祝などのように四文字の表書きは、四=死につながることから、避けたほうが良いという考え方もあります。相手によっては気にされる可能性もあるため、なるべく避けたほうが無難です。

お祝いメッセージの書き方

お祝い事には、お祝いの気持ちを込めたメッセージも添えて送りましょう。移転祝いで使ってはいけない言葉や、お祝いメッセージの文例を紹介します

使用してはいけない言葉

移転祝いで使ってはいけない言葉は、2種類あります。まずひとつめは、火を連想させる言葉です。火に関連する言葉は、移転先で火事が起こることにつながるため、縁起が悪いとされています。火、煙、灰、燃えるなどの言葉は避けましょう。次に、事業の衰退を連想させる言葉も避ける必要があります。衰え、錆びる、倒れるなどの言葉は使用してはいけません。

メッセージ文例集

1.店舗移転の文例

新築移転おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。千客万来のご繁栄をお祈りします。

2.オフィス移転の文例

新オフィスへの移転、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。貴社のますますの発展を心よりご祈念申し上げます。

移転祝いは成功を願って贈りましょう

移転祝いは、送り先の新たな門出を祝って贈るものです。受け取った相手が気持ちよく仕事ができるように、さらなる成功と発展の願いを込め、失礼のない物を選んで送りましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事