胡蝶蘭はちゃんとした手入れと環境作りで長く楽しむことができる?
見た目が華やかで花言葉の縁起もいいため、お祝い事があると贈られることが多い胡蝶蘭は、しっかり手入れをすると長く楽しむことができる花です。しかし、お祝いなどでいただいた場合、手入れ方法が分からずにそのまま置いてしまっている人も多いかと思います。そこで、胡蝶蘭を育てる際の手入れ方法や、花を二度咲きさせる方法などを紹介いたします。
胡蝶蘭の手入れポイント
胡蝶蘭は寒さと直射日光に弱い植物です。そのため、育てる際の環境に注意をしなければいけません。また、育ちやすい環境を整えるためにも、手入れの際に押さえておいてほしいポイントがいくつかあるので紹介します。
ラッピングは貰ったその日で外す
お祝いの際にいただいた胡蝶蘭は、ほとんどが綺麗にラッピングされていると思いますが、貰ったその日でラッピングは外すようにしましょう。ギフト用のラッピングをそのままにしておくと、鉢内が蒸れてしまい、根腐れしやすい環境ができてしまいます。株の健康を保つ為にも綺麗な包装を崩すのは勿体ないですが、ラッピングはすぐに外してください。
水やりは適度に
水やりをする際は7~10日に一回、コップ1杯分の水を与えるように意識しましょう。しかし、季節によって乾燥しやすかったり、根腐れを起こしやすくなったりするので、「乾燥しやすい夏は回数を多めに与えて」「根腐れしやすい冬は様子をみて与える」という感じで、調整しながら適度に水やりすることが大切です。また、空気が乾燥していると感じた場合は、霧吹きなどを使って葉っぱに水を吹きかけてあげましょう。
置き場所も気をつけよう
胡蝶蘭は直射日光や寒さに弱いので、基本的に室内で育てることをおすすめします。また、室内でも直射日光を避けながらある程度の日光に当たれるレースカーテンのそばや、害虫を遠ざけることができる風通しのいい場所などに置いてあげると、より快適な環境を作ってあげることができるでしょう。
花びらにはなるべく触れないようにしよう
花は傷ついたり受粉したりするとすぐに落ちてしまいます。そのため、自分でもなるべく触らないように気をつけながら、子供やペットにいたずらされない高さに置くように工夫しましょう。
花が落ちた後の手入れ方法
胡蝶蘭は、花が落ちてしまってもきちんと手入れをしてあげればまた花を咲かせることができる植物です。今回、胡蝶蘭を二度咲きさせるための手順を紹介するので、貰った胡蝶蘭の花が終わってしまった後も諦めずに二度咲きにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
二度咲きさせるための手入れ手順
準備
まずは、手を綺麗に洗って、病気が感染しないように火であぶって消毒したカッターやハサミを用意します。また、作業を室内で行う場合は、ミズゴケなどが散らばる可能性があるため、床に新聞紙などを敷いて汚れても問題ないように準備しておきましょう
茎をカットしていく
胡蝶蘭には、茎と株を支えるために刺さっている支柱を抜き取り、茎をカットしやすい状態にします。支柱を外してカットできる状態になったら、根元から節を数えて4~5節の上をカットします。このカットを行う際に、カットした茎の節が緑色ではなく、黄色や茶色だと新しい芽が出てこないので、さらに下の部分からカットするようにしましょう。
花が咲くまで環境を整えてあげる
茎をカットして、二度咲きさせる用意ができたら後は株が元気を保てるように、環境を整えてあげることが大切なので、温度は20℃前後に保つように心掛けましょう。どうしても気温が下がってしまう冬の場合は暖房器具をうまく活用して20℃前後を保つことが難しくても、15℃以下にはならないようにしましょう。
また、カットする際に茎と株を支えていた支柱を抜きましたが、しっかりとした環境管理ができると花茎が徐々に成長していくので、重さに耐えられず倒れてしまう可能性があります。再度支柱を立てて、倒れないようにしてあげましょう。
しっかりと手入れをしてあげることができれば、胡蝶蘭は長い年月花を咲かせて楽しませてくれます。しかし、環境や品種によっては二度咲きが難しく、咲くまでに2~3年ほどかかる物もあるため、気長に楽しみながら待つ気持ちを持つことも大切です。
手入時に注意したい病気と害虫
毎日手入れを行って、愛着をもった時に発見するとショックなのが「病気」や「害虫被害」です。せっかく丁寧に手入れをしていても、病気や害虫被害のせいで胡蝶蘭が枯れてしまったり、変色したりしてしまうことも少なくありません。そのため、胡蝶蘭を育てる時に知っておいたほうが良い病気と害虫をいくつか紹介するので、しっかりと認識しておきましょう。
軟腐病
細菌が原因で発症する病気で、葉っぱに斑点が現れ強い異臭を放ちながら最終的に腐ってしまいます。感染力が強いため、斑点が見つかった箇所を大きめに切り取り、台所塩素系洗剤を塗って消毒をしなければいけません。また、使用したハサミやカッターはしっかりと消毒をしないと他の植物にも感染する恐れがあるので気をつけましょう。
葉焼け
日光に当てすぎて葉が焼けて黒くなった状態のことを「葉焼け」と言います。葉焼けを確認したら、速やかに日陰の中に胡蝶蘭をうつして様子を見るようにしましょう。また、葉焼けで弱ってしまった箇所はウイルスに感染しやすいため、殺菌をするか切り落とすかの対処をしておいた方がいいでしょう。
カイガラムシ
最初から株についていることが多いため対策が難しい害虫で、生長を遅らせ病気を誘発する恐れがあるため見つけたら駆除しましょう。白い毛の塊のように見え、葉の裏に綿状の白い物や茶色い凹凸が現れたらカイガラムシがついているサインなので、ピンセットや綿棒で取り除いたら流水で株や鉢内を洗い流しましょう。
しっかり手入れをして長く胡蝶蘭を楽しもう
胡蝶蘭は温度調節や、置き場所、水やりの量など様々なことを注意しながら手入れする必要があるため、管理が難しいと思われがちです。しかし、手入れをする際のポイントさえしっかりと押さえておけば毎年花を咲かせて楽しませてくれます。また、病気や害虫の被害も胡蝶蘭を置く環境を整えてあげることで防いだり、対処したりできるので、手入れのポイントを知っておけばお祝いで貰った胡蝶蘭も長い間形に残しておくことができます。